生活

すぐに情報が手に入るネット社会が生まれたことで失った「粘り強さ」について

大人になってふと気がついたことがある。

わからないことについて調べている時、答えがすぐに見つからないとイライラして、あきらめてしまうことに。

昔はそんな性格ではなく、どちらかというと、なかなか答えに辿り着かなくても「あーでもないこうでもない」と粘り強く答えを探し求めていました。

でもいつからか、すぐに見つからないと「もういいや」とあきらめてしまう⋯。

なぜこんなにもすぐに答えを欲しがり、見つからなかったらあきらめてしまうようになったのか?

どうやらそれは僕だけではなく、日本全体どころか世界全体で起きている現象のようです。

知らず知らずに侵されてしまった現代病について書いていきます。

現代はあっというまに答えに辿り着くのが当たり前の世界

インターネットが普及し、世界中の情報が瞬時に手に入る時代で僕らは生活をしています。

スマホの登場でいつでも膨大な情報にアクセスでき、問題が発生してもすぐにネットで調べて解決することが可能です。

わからない「問題」が発生したら、すぐに調べて「解決」する。

現代は「問題」から「解決」までが異常に早くなってしまった世界なんです。

ネット社会になる以前は、わからないことがあったら「自分であれこれ試す」「知っている人に聞く」「本で調べる」あたりが一般的な解決方法でしたが、どれもある程度の時間がかかります。

時間がかかるとはいえ、それが当たり前だったので今ほどイライラしませんし、誰もが粘り強く取り組んでいました。

粘り強く取り組まないと問題が解決できないわけですから。

結果的に、自然と粘り強さを身につけることができました。

それとは違い現代は「問題解決のスピードを得た」代償に「粘り強さを失った」世界。

僕もこの「粘り強さを失った」世界に、知らず知らずのうちにどっぷりとつかっていたので、時間がかかることに対して、イライラし、あきらめやすくなっていたわけです。

そう考えると、世の中で起きていることにも納得します。

例えば、最近の本屋では、「1ヶ月で英語が話せるようになる」とか「効率よく勉強する方法」「この1冊でわかる世界の歴史」のような、とにかく時間をかけず自分が知りたい問題を、サクッと解決できる系の本が多く並び人気があります。

「手っ取り早く問題を解決したい!」という、現代人の欲求にマッチした構成だからです。

ファスト映画が流行ったのもその典型ですね。

ファスト映画とは、映画1本(2時間くらい)の内容を10分くらいにまとめてYoutubeで紹介するもの。

10分でだいたいの内容がわかっても、そんなの何が楽しいの?と思いますが、これが大いに受け入れられました。(著作権の侵害で映画会社に訴えられることになり、現在はファスト映画は無くなっています。)

ファスト映画を好きで見ていた人は、物語の途中のストーリーなんてどうでもいいんです。

映画の内容が面白いかどうか(問題)、手っ取り早く結末(答え)を知りたいんです。

最近はブログやニュース記事なんかも、初めに結論(答え)を書くのがセオリーとされています。

昔は読者に最後まで読んでもらうため、記事の終わり部分に結論を書いていたのが、今は冒頭で知りたい情報が得られなければ、読者はすぐに離脱してしまいます。

じっくりと最後まで記事を読んで目的の情報を探すことはしないんです。

そういう意味では、僕のブログは自分が書きたいことをセオリー無視で自由に書いているので、現代人には合わず読者がすぐに離脱されやすい文章ではあります。

そんなこと気にせず自由に書いているので関係ないんですが。

少し話が脱線しましたが、それでは「粘り強さを失う」とは、どういったことに繋がるのかについて考えていきます。

粘り強さを失うことで自分の成長の可能性を止めてしまう

粘り強さを失うことへの一番のリスクは「成長の可能性を止める」ことだと思います。

本当なら解決できる問題も、すぐに答えが見つからないからあきらめる。

あきらめたら、そこで成長はストップしてしまうので、自分自身の可能性を止めてしまう。

漫画スラムダンクの安西先生の有名なセリフ「あきめたらそこで試合終了ですよ」がありますが、まさにそれです。

僕の体験を例にいうと、昔、ブログを始めようとしたことがあります。

ブログを始めるにあたり調べてみると、ワードプレスというものを使ってブログを作るのがおすすめとされていたので、早速ワードプレスで始めようとしてのですが、問題が発生。

ワードプレスは、「レンタルサーバーを借りる」「ドメインを取得する」「ワードプレスをインストールする」など、始めるまでに手間がかかります。

知識ゼロの状態だと、ちょっと調べた程度ではやり方がわからず、一度あきらめました。

自分にはブログを開設するのは無理と。

現在は親切丁寧に一から順番に画像付きで説明してくれているサイトも多いので、つまずきにくくなってはいますが、当時はそこまで親切なサイトもなかったので、本当にわかりにくかったです。

一度は挫折しましたが、それでもやっぱり始めたいと、再度、一つ一つ時間をかけてやり方を調べていった結果、途中うまくいかないこともありつつ、なんとかブログを開設することができました。

つまり、すぐに問題が解決しないからとあきらめていた自分は、「ブログを開設できない人」だったのが、粘り強く解決方法を調べ取り組むことで、「ブログを開設できる人」になったわけです。

これが粘り強く取り組むことでの成長です。

問題が発生したとき、すぐに答えが見つからなくてもそこであきらめず、「じっくり取り組むと解決できる」と信じ、普段から粘り強く取り組む姿勢を身につけるようにしましょう。

粘り強く取り組んだことで、問題解決までに時間がかかったとしてもいいんです。

時間がかかるより、自分の成長のほうが何倍も大切です。

かりに時間をかけて問題が解決できなかったとしても、その過程で得た知識や経験も自分の成長につながる財産となります。

今まで答えがすぐに見つからずあきらめたことがあったら、もう一度本当に自分には解決できないのかじっくり取り組んでみてください。

きっと、自分が思っているほど難しい問題ではなく、ただ単に現代病のせいで自分にはできないとあきらめていたことに気がつくはずです。

問題解決までのスピードはもちろん大切ですが、それ以上に粘り強さを身につけて自分の成長の可能性を伸ばしてみてください。

  • この記事を書いた人

ナオト / Naoto

仕事やプライベートの不安や悩み、ストレスや雑念などの「ノイズ」を減らすにはどうしたらいいのか。人生を楽しく過ごすにはどうしたらいいのか。これらについての日々の考えや取り組んでいることを、自由気ままに書いています。読書とカフェが大好きな2児の父。

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